●合成洗剤の歴史

 合成洗剤は、第一次世界大戦中のドイツで生まれました。 当時、石鹸の原料の動植物油を食料などに使用したので石鹸が不足し、動植物油以外から洗剤を作る必要があったので、石炭から合成洗剤を作り出しました。
これをきっかけに、合成洗剤の研究が進みました。 また、第二次世界大戦中アメリカで合成界面活性剤のABSが発明され、戦後合成洗剤が、急速に普及しました。

日本では、1951年にABS洗剤が初めて発売されました。 その後、合成洗剤 の生産が大きく伸び、1963年に合成洗剤の生産量が石鹸を上回りました。

 しかし、ABSはとても分解しにくい物質だったため、1953年頃から、アメリカやイギリスで、下水処理場の水が泡だって下水処理が困難になるという問題が起こり始めました。日本でも1961年頃から河川の発泡が見られるようになり、世界各国で使用が禁止になりました。 そのため、ABSからLASを使った洗剤へと転換していきました。

 
◆ABS(側鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)・・・合成界面活性剤
炭素の鎖があちこち枝分かれしているため、なかなか分解せず、川や海で泡公害をおこして問 題となった。
 
◆LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)・・・合成界面活性剤
ソフトABSともいわれ、生分解性がABSより優れている。しかし、魚への毒性はABSより強いと報告されています。問題は、自然界において分解された場合「環境ホルモン」の一種である「ノニルフェノール」を作るとされています。
 

●合成洗剤とは

 合成洗剤とは、化学合成された合成界面活性剤を主成分にした洗浄剤のことです。また、界面活性剤とは、水と油のように、お互いに混ざり合わない2つの液体を1つに溶けるようにする働きがあります。

 合成洗剤は、石けんよりも界面活性作用が安定しています。 例えば石鹸は、海水中に入れると薄まり、ミネラルの影響ですぐに白濁し、界面活性作用をなくします。 しかし、合成洗剤は、海の水で溶け、生物によったり、自然の浄化作用で分解されるまで薄められても界面活性作用が残ります。また、合成洗剤は、石けんよりも一般的にタンパク質吸着性や浸透性が優れ、洗い上がりの見た目の差を生んでいますが、同時に、このタンパク質吸着性と浸透性が、人体や環境の問題を引き起こしているといえます。

 合成洗剤は浸透性に優れているという特徴から、口から入るより皮膚から入るほうが体の中に長く残留すると考えられています。 皮膚の表面は皮脂膜で覆われていて、防御作用があり、外部から皮膚を保護しています。 合成界面活性剤はこの皮脂膜を破って、他の化学物質を侵入しやすくします。合成洗剤を使うときにゴム手袋をしないで洗うと、 手荒れや湿疹がでるという人がいますが、 このような合成界面活性剤の作用によるものです。

 一方、口から入ると消化器官から排泄器官へと通って、外へ出ます。 皮膚から侵入した場合は、10日で10%しか排泄されません。それだけ体内に長期間残り、血液によって体内を循環します。合成界面活性剤は、細胞を破壊する作用があり、最後にたどり着いた肝臓の細胞が特に悪影響を受けます。 (参考:学校給食ニュース)

  合成洗剤が原因で起こる病気のひとつに川崎病があります。川崎病とは4、5才以下の乳幼児が主にかかる熱病で、原因は不明とされています。 川崎病の発見者である川崎医師はある洗剤メーカーと共同で川崎病の原因が合成洗剤なのかを研究しました。その結果は「NO」でした。洗剤メーカーが川崎病の原因が合成洗剤ですとはいうはずがありませんね。その研究結果により厚生省は合成洗剤を川崎病の原因からはずしてしまいました。合成洗剤が発売される前には川崎病という病気はなかったそうなので、やはり合成洗剤が原因かもしれませんね。

 ゴム手袋をしないで合成洗剤で洗っているとどんなことになるか、皆さんお分かりですね。しかし、食器を洗うたびにゴム手袋をするのも面倒なことです。そこでよい方法が、台所用石鹸を使って食器を洗うことです。化学物質が皮膚から浸透することがないので、 素手で洗えますし、手荒れの心配もありません。その上、合成洗剤よりも汚れ落ちが良いのです。

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